一般情報

G-0001 レベル計測の最新技術TDR方式マイクロパルスレベル計
TDR方式︓Time Domain Reflectrometry / 時間領域反射測定法

この方式は電子回路で間欠的に発信したマイクロパルスを容器内に挿入した金属ロッドまたはケーブルを媒体として伝播させ、測定対象物の表面で反射し再びロッドまたはケーブルを伝わるマイクロパルスを受信します。マイクロパルスの測定対象物までの往復時間を計測することでレベルや界面を演算します。
この方式の特長は、容器内に垂直方向にプローブを設置することによりマイクロパルスの広がりと減衰を抑え、レベル計取付の制約と被測定物の条件を大幅に緩和し、幅広いアプリケーションでレベルを測定できるようにしたことです。

TDR方式の動作原理

レーダー式レベル計(マイクロ波レベル計)では、電子回路で発生させたマイクロ波を導波管によりアンテナに導き、容器内の自由空間に放射します。
一方、マイクロパルスレベル計(TDR)では、レーダー式と異なりマイクロ波を自由空間に放射するかわりに、容器内にプローブを置きこのプローブにマイクロパルスを間欠的に送信し、測定対象からの反射(誘電率による)により測定対象のレベルを測定しようというものです。

電気部から発射されたマイクロパルスはプローブを通じて下方に伝播します。ここで誘電率に違いがあるとその位置でマイクロパルスの一部は反射され電気部に戻ってきます。プローブの取付部に誘電率差があるので、その部分に恒常的に反射を発生します。---下図(1)

液体のレベル計測を例にとると、容器内にはまず気層部があります。この場合通常気層部の誘電率εrは1でありマイクロパルスは通過して反射しません。次に液面位置にマイクロパルスが到達すると気層部分と測定対象の誘電率差により反射を発生します。---下図(2)

更に下方に異なる液体が存在する場合は上層液と下層液に所定の誘電率差があればその境界面でも反射を発生します。---下図(3)

こうして誘電率の違いによるマイクロパルスの反射によりレベルを計測します。
これらの反射は、反射する位置によりそれぞれ移動にかかる時間差があり、この時間差により液面および境界面のレベルを計測します。この方式では測定対象の誘電率が計測要素であり、液体、粉体、粒体などその形状には依存しません。この技術は、間欠的に発信するパルスとわずかに時間差を変えながら受信回路を短時間起動し、ケーブルに沿ったマイクロパルスの強度分布を測定し、反射パルスを検出するものです。1回のパルスの送信に対し、わずかな時間領域のみ受信を行うことからタイムドメインと呼び、従来から通信ケーブルの破断箇所の特定などに従来から使用されていました。

この方式では非接触式(FMCW)と比較して、ロッドまたはケーブルにマイクロパルスを伝播させることにより、効率良く伝播させることができ、低エネルギーのマイクロパルスで低い誘電率の物質や粉体の測定が可能です。

TDR方式の特長
  • 可動部なし。
  • 温度・圧力などの測定条件に影響されない。
  • プローブの使用により狭いピットなどの測定も可能。
  • プロセス接続部温度150℃、最大圧力4MPaまで測定可能。
  • プローブ材質は選択でき腐食性の高い液も測定可能。
  • 液体および粉体レベル、液体の界面測定と幅広いアプリケーションに対応。
  • 通常のダイレクトモードに加えタンクボトムモード(TBF 機能)により、LPG、LNG、液体窒素やプラスチックペレット、おがくずやセメントなど低い誘電率の測定物に対応。
  • 界面・レベルの同時測定・出力可能。
推奨アプリケーション

1. 従来のレベル計測方式の代替
下記方式のレベル計は従来の機能・性能を十分満足し、かつ価格レベルからも積極的代替が考えられます。

  • 差圧式レベル計(フランジ式、投げ込み式、パージ式)
  • 超音波式レベル計
  • 静電容量式レベル計
  • ディスプレーサ式レベル計

2. 従来計測に困難があった仕様への対応

  • 二液境界面
  • 粉体サイロ
  • 液化ガス(TBFモード)
  • 液体アンモニア

このTDR方式マイクロパルスレベル計は、接触式ではあるもののそれがゆえのメリットを多く持つ、ユニークで適用範囲の広いレベル計で、レベル計選択の幅を大きく広げるものと期待されています。

ベーシックタイプ
TGF1100
(液体/粉粒体用)

製品詳細

高精度タイプ
TGF7200
(液体用)

製品詳細

高精度タイプ
TGF6200
(粉粒体用)

製品詳細

G-0005 自動車関連 開発支援機器のご紹介

当社の流量計は一般の工業プロセス・装置向けで多く使用していただいておりますが、実は「こんなところにも!」という分野があります。 その一つが自動車関連に使用されるエンジン等の研究・開発および評価試験に当社の計測機器が自動車メーカー、部品メーカー、建機メーカーや官公庁 研究機関等で活躍しています。

CNG燃料熱式流量計 TH-1800-T / TRX-700-CNG

概要

圧縮天然ガス(CNG)は自動車用燃料として広く普及しているガソリンや軽油に比べ地球温暖化の主原因とされるCO2や有害物質(PM, NOx, SOx等)の排出量も少なく、低公害自動車用燃料として研究が進められています。
一部の路線バスやごみ収集車に実用化されています。 サーマルフローメータ(THシリーズ)は各種試験の解析用として質量流量を計測でき、車載による実車走行試験も可能です。

特長
  • 温度、圧力が変動しても標準状態の流量に換算し、表示信号出力する
  • 高精度±1.5% R.D. (流領域5%~100%)
  • ワイドレンジ (15A) 最小0.3m³/h(nor) (50A) 最大200m³/h(nor)
  • CNG組成変化に対応し、指定された5種類の混合ガス物性値を記録可能で、変換器パラメータの設定によりユーザーでの切換が容易
  • 可動部がないため、磨耗による劣化や定期的な部品交換はなく高耐久

エンジン冷却水測定用 電磁流量計 EF-AUTO

概要

ラジエータ内を循環する冷却水の流量測定に適した電磁流量計です。 エンジンルームにはさまざまな機器が所狭しと詰まっており、エンジン本体からラジエータの熱交換器に繋がるラジエータホースに既存の流量計を取り付けるのはかなり苦労します。 小型化することにより実車のエンジンルームに設置しやすく、ラジエータホースを直接接続できます。

特長
  • ホース継手は着脱交換式になっており、ラジエータのホース内径に合わせて製作可能
  • 流路内に突起物がないため、圧力損失が小さく上下流の配管影響を受けにくいレジューシングチューブ
  • 接続ケーブルは専用コネクタになっており、簡単に結線できる
  • 流量レンジ(6mm) 最小0~1 L/min(50mm)最大0~1400 L/min

ラジエータ風速測定システム

概要

ラジエータへの風速を計測するシステムです。 専用の通信ソフトでは、風速の平均値算出、測定回数・間隔設定、データ記録など機能が充実。システムを車載し、実走行テストも可能です。

特長

RF-1000 / RR-5000B

  • 光ファイバケーブルを採用し、強ノイズ環境でも計測可能
  • 温度 0~120℃
  • 通信機能はRS232変換器を使用し、最大64chまでRS-232C通信でデータ収集可能
  • 小型、軽量により厚さ10mmの薄型センサはラジエータとコンデンサの間に取り付け可能で実車計測できる。
  • プロペラによる圧力損失はラジエータの圧力損失より低く、約0.1kPa

RF2000 / RR-5000D, RR5100D

  • 電気ケーブルを採用し、配線の取扱いが容易
  • 温度 -40~120℃
  • CAN通信機能は変換器を最大4台(64ch)のデータを同時に収集可能通信データはDBCファイルにより、風速値に変換
  • 小型、軽量により厚さ10mmの薄型センサはラジエータとコンデンサの間に取り付け可能で実車計測できる。
  • プロペラによる圧力損失はラジエータの圧力損失より低く、約0.1kPa
G-0007 スチームジャケットの構造

液体の流量を計測するとき、その計測流体が低温で固着する可能性がある場合、流量計を二重構造にして外側に蒸気や温水を通して計測液体の温度低下を防止することがあります。この二重構造をスチームジャケット(蒸気を使用することが一般的なので)と呼びます。いくつかの構造があります。
以下ご紹介します。

1. フルジャケット

ジャケットをフランジ部まで被せ、かつスチーム流入出口をフランジ部に設ける構造です。保温性能は一番高い構造ですが、フランジが厚くなりコストアップとなります。また接続口径はメータサイズのプラス1サイズ以上となります。
(JIS10Kクラスのみ製造します)

2. セミジャケット

ジャケットをフランジ部まで被せる構造です。スチーム流入出口は管体部に設けます。接続口径はメータサイズのプラス1サイズ以上必要な点はフルジャケットと同様ですが、若干コストメリットがあります。

3. セミジャケット(特殊タイプ)

ジャケットをフランジ部まで被せない構造です。こちらをセミジャケットと呼称する場合も多くあります。この方式ならばメータサイズと接続フランジサイズは同サイズで製作できます。

G-0009 燃料電池関係推奨機種のご案内

エネルギー、環境問題を解決する切り札として今、燃料電池は注目を浴びています。燃料電池は、電気分解の逆で、水素と酸素を反応させて発電します。負荷変化に応じ発電量をコントロールする場合、供給する水素、空気量を増減して対応するため、流量管理が重要になります。当社では、この燃料電池関係では実験設備から実用機器まで各種流量計をご用意しています。これまでご使用いただいた各種流量計を用途別にご紹介します。

原燃料供給量制御

気体原料の計測

対象流体:13A、プロパン、ブタンなど
小流量のラインはサーマルマスフローメータ, コントローラが多く使用されます。

参考カタログ

TF-1000 TF-5000/6000 EP-TF-5000 TC-1000

原燃料改質用蒸気ライン

対象流体:蒸気
Vコーンフローメータを推奨します。

参考カタログ

VM

原料ガス供給量制御

原料ガス供給量制御
改質して得られた水素ガスまたは混合ガス(H2+CO)を電池本体に供給します。
対象流体:水素ガス、混合ガス(H2+CO)
Vコーンフローメータを推奨します

参考カタログ

VM

空気供給量制御、起動・停止時窒素ガス置換流量制御

空気中の酸素を使用します。 停止、起動時に電池本体に窒素ガスを導入し、 停止時に化学反応が発生するのを防ぎます。 サーマルマスフローメータ一, コントローラが一般的です。 対象流体:空気、酸素ガス、窒素ガス、一酸化炭素など

参考カタログ

TF-1000 TF-5000/6000 EP-TF-5000 TC-1000

このほかユーティリティ関係の各種流量計、レベル計もご用意しています。

G-0010 金属材料の表記 JIS-ASTM対照表

本書は流量計で多く使用される金属材料についてそれぞれのASTMとJISの表記の対照を示したものです。あくまでも『相当材料』であり、ユーザの参考に資するためのものです。

1. パイプ
材料の種類 ASTM規格 JIS規格 備 考
炭素鋼管 A135 Gr.A G 3454 STPG 370   
A53 Gr.E-A  
A135 Gr.B STPG 410   
A53 Gr.E-B  
A53 Type F G 3452 SGP  
A106  Gr.A G 3456  STPT 370  
Gr.B STPT 410  
A333  Gr.1 G 3460  STPL 380  
Gr.3 STPL 450  
ステンレス鋼管 A312 Gr.TP304 G 3459 SUS 304TP  
Gr.TP304L SUS 304LTP  
Gr.TP316 SUS 316TP  
Gr.TP316L SUS 316LTP  
2. 鍛造品
材料の種類 ASTM規格 JIS規格 備 考
  A105 G 3201 SF 490A  
  G 3202 SFVC 2A  
  A181 Gr.Ⅰ G 4051 S25C (Forging)  
  Gr.Ⅱ S30C (Forging)  
  A350 Gr.LF2 G 3205 SFL2  
  A182 Gr.F1 G 3203 SFVA F1  
  Gr.F2 SFVA F2  
  A182 Gr.F304 G 3214 SUS F304  
  Gr.F316 SUS F316  
  Gr.F316L SUS F316L  
3. 鋳造品
材料の種類 ASTM規格 JIS規格 備 考
鋳鋼 A216 Gr.WCA G 5151 SCPH1  
Gr.WCB SCPH2  
A352 Gr.LCB G 5152 SCPL1  
ステンレス鋳物 A351 Gr.CF-8 G 5121 SCS13A  
Gr.CF-8M SCS14A  
Gr.CF-3M SCS16A  
鋳鉄 A48 Class No.30 G 5501 FC 200  
A126 Class B FC 200  
A48 Class No.35 G 5501 FC 250  
A126 Class C FC 250  
マレアブル鋳鉄 A197   G 5702 FCMB 270  
A47M Gr.22010 FCMB 340  A47-32510は、日立バルブのカタログに記載されていたもの
A47 Class 32510
ダクタイル鋳鉄  A536 Gr.60-40-18  G 5502 FCD 400-15  
Gr.65-45-12  FCD 450-10  
4. 板・丸棒
材料の種類 ASTM規格 JIS規格 備 考
板,丸棒  A283 Gr.C G 3101 SS 400  
Gr.D G 3101 SS 400  
A109   G 3141 SPCC  
板,丸棒 板:A167
棒:A276
線:A313 
S30400
(TYPE 304)
板:G4304
棒:G4303
線:G4308  
SUS 304  
S30403
(TYPE 304L)
SUS 304L  
S31600
(TYPE 316)
SUS 316  
S31603
(TYPE 316L)
SUS 316L  
A576 Gr.1025 G 4051 S25C  
5. ボルト・ナット
材料の種類 ASTM規格 JIS規格 備 考
  A307 Gr.B G 3101 SS 400 (ボルト)
  A563 Gr.A G 3101 SS 400 (ナット)
  A193 Gr.B7 G 4107 SNB7 (ボルト)
  A194 Gr.2H G 4051 S45C (ナット)
  A193 Gr.B8 G 4303 SUS 304 (ボルト)
  Gr.B8M G 4303 SUS 316 (ボルト)
  A194 Gr.8 G 4303 SUS 304 (ナット)
  Gr.8M G 4303 SUS 316 (ナット)
  - - G 4105 SCM435 (ボルト)
6. アルミ・黄銅
材料の種類 ASTM規格 JIS規格 備 考
アルミダイカスト B85 383.0 H 5302 ADC 12Z  
アルミ鋳物 B26 319.0(-) H 5202 AC 2B (AC 2A)  
アルミ合金 B221 6063 H 4100 A6063(S)  
B221 6063 H 4040 A6063(BE)  
黄銅(真鍮) B16 C36000 H 3250 C3604(B)  
黄銅(真鍮) B150 C61900 H 3250 C6191B  

〔参考文献〕
金属材料データブック[改定4版]・・・・日本規格協会
JISハンドブック 鉄鋼・非鉄・・・・日本規格協会
その他・・・・TEC技術資料 ,メーカーカタログ

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